学校再開後の音楽の授業を考える①「必要な対応の整理」

2 授業コラム

現在は各自治体により、学校における登校・休校や授業の在り方・やり方なども様々だと思います。

現状として休校が続いていますが、

学校再開が少し見通せる状況となってきたのではないでしょうか。

今回は、文科省から5月13日付けで更新されました、

「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」

(以下Q&A)を受けて、

学校再開後にどのように授業を行うことができそうかな?

ということについて考えていきたいと思います。

ちなみにQ&Aは更新を重ねてかなり充実されてきましたので、

このタイミングで今読んでみるのは良いかもですね!

対応が必要な場面や状況

まずは、学校における授業についての、

どのような状況や場面に対して、対応が必要なのかを整理しましょう。

https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207#QA より

学校における授業場面を想定するときに、

上記のようないわゆる「3密」を避けなければならないと言われています。

なぜなのでしょうか?

以下は、感染者集計でお馴染みのアメリカはジョンズ・ホプキンス大学の感染症教授による情報を基にしています。

ウィルスは生物ではなく、何層もの脂質(脂肪)でできた保護膜に覆われたにたんぱく質分子(DNA)です。
このウィルスが、眼・鼻または口の粘膜の細胞に付着すると、突然遺伝コードが変異し倍々方式で増え侵略します。

鼻・口の粘膜への付着はイメージありましたが、

眼の粘膜への付着も良くないということですね。

だからゴーグルをしている映像がニュースにも出るわけです。

そういった粘膜への付着の可能性がある環境・状況・状態は、

リスクマネジメントの観点から避けることが当然望ましいということです。

対策としては、以下のようなことが考えられるわけです。

これらの対策のうち、学校において学習を進めていくにあたって必要性のあることを考えてみましょう。

必要な対策や意識

では、

学校(教室)において、ある一定数の集団に対して一斉に音楽科の授業を行う

ということを考えた際にどのような対策が必要でしょうか。

まず、生徒や教師自身が意識すべきことは、以下の3点でしょうか。

  1. 他者に飛沫(ウィルス)を飛ばさない
  2. ウィルスの付着につながる接触をしない
  3. 自身への飛沫(ウィルス)の付着を防ぐ

また、学習環境として意識すべき対策は以下の3点でしょうか。

  1. なるべく広い教室等で授業を行う(既存の音楽室にこだわらない)
  2. 十分に換気が行える、窓や入口の大きな教室等で授業を行う
  3. 児童生徒が対面とならず、可能な限り間隔を確保した座席配置で授業を行う

マスクについては以前のQ&Aには以下のようにありました。

基本的な考え方として、

児童生徒等の間に飛沫のかからないような十分な距離(多くの児童生徒等が手の届く距離に集まらない状態)があり、

かつ、換気を適切に行っている室内や屋外である場合には、マスクの着用は必ずしも必要ではありません。

通気性の悪い(気密性の高いと言うんでしょうか)マスクを着用していた生徒が、

体調を崩して亡くなったという外国の報道もありました。

必要に応じて、判断もいるものかもしれません。

「マスクが必要な場面」について、5月13日の更新では、

学校教育活動においては、通常マスクを着用してください。

特に、近距離での会話や発声等が必要な場面では、

飛沫を飛ばさないよう、マスクの着用を徹底するようお願いします。

と更新されました。

また、

各教科等の指導について、感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高いため、

実施することができない学習活動

として、

音楽科における狭い空間や密閉状態での歌唱指導や身体の接触を伴う活動

とあります。

ここから考えられる当面の音楽科授業の方向性としては、

以下の4点が考えられます。

  1. 歌唱分野の学習を控える(※もしくは最大限の配慮と工夫により行う)
  2. 飛沫や唾液の発生を伴う、吹奏楽器(鍵盤ハーモニカ、リコーダー、篠笛等)による器楽分野の学習を控える(※もしくは最大限の配慮と工夫により行う)
  3. 同一の楽器・教材等を不特定多数の者が共用することは避ける
  4. 児童生徒の対面による交流や身体的な接触を避ける

※1・2ですが、やり方を気を付ければ歌唱もリコーダーも可能だ!と主張したいのではなく、

例えば当然リスクマネジメントの観点から、

あえて今のこの時期に、率先してリスクの高い学習活動を行う必然性・必要性は高くはないでしょうから、

「どうやったら歌唱ができるかな?」

と頭をひねるのは音楽科教師としてあまり効果的・効率的な営みとは私は思いません。

さらに、歌唱について言えば、

歌が歌えないなんて!音楽できないじゃん!

と焦る方は、

今までいかに

「音楽=歌」

という誤った定義により、

音楽科の授業を行ったきたかということを反省すべきだとも考えます。

じゃあ一体どんな授業ができるのかしら?

ということについては、

地域や学校の環境、児童生徒の実態等に応じて、

是非先生方に考えてもらいたいことだと思います。

その地域や学校の学習環境、ICT環境もそうですが、

何より子供たちの実態を一番知っているのは、

子供たちに一番近い先生、あなただからです。

あの子たちだったら、こんな音楽科の授業ができるはず!

それを是非楽しみながら前向きに考えてみてください。

ただ、だから何も協力しませんということではありません。

次はこの記事の内容を、

授業レベルで具体化していきたいと思います。

ご質問、ご相談ありましたら是非お気軽にご連絡ください。

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