学校再開後の音楽の授業を考える④「器楽の学習活動の可能性」

2 授業コラム

皆さんこんにちは!

前回は

「歌唱の学習活動の可能性」について、

考えてみました。

今回は「器楽」の学習について

考えてみましょう!

学習活動の方針の確認

学習活動を考えるうえでの方針として、

以下の4点を挙げていました。

  1. 歌唱分野の学習を控える(※もしくは最大限の配慮と工夫により行う)
  2. 飛沫や唾液の発生を伴う、吹奏楽器(鍵盤ハーモニカ、リコーダー、篠笛等)による器楽分野の学習を控える(※もしくは最大限の配慮と工夫により行う)
  3. 同一の楽器・教材等を不特定多数の者が共用することは避ける
  4. 児童生徒の対面による交流や身体的な接触を避ける

「器楽」の学習では、当然楽器を用いますので、

上記の2,3については、

リスクマネジメントの観点から

最大限の注意が必要です。

各自治体や各学校の方針に則って責任ある判断を心がけましょう。

以下に挙げるアイデアは、

この状況下でも、あえて楽器を用いて器楽の学習を行うならば、

その一つの可能性として挙げるものです。

「自校だったらどうだろうか?」

是非慎重に、検討してみてください!

※当然個人もちでない楽器の共用にあたっては、使用前後での除菌が必須だと思います。

そもそもそれが難しいのであれば、検討の余地はないと考えましょう。

扱う楽器の選択や学習の準備

① リスクの低い楽器を選択する

飛沫や唾液の発声する楽器はリスクが高いと言われています。

考えられる楽器は、

リコーダー、鍵盤ハーモニカ、篠笛等でしょうか。

これらの楽器は、

個人持ちで購入させている学校も、

多いかと思います。

個人的な意見としては、

呼気を伴う吹奏楽器であったとしても、

演奏中に楽器から飛沫が拡散するということは、

ほぼないことだと思っています(個人的見解です)。

※そんな実験動画もいくつか出ていますね(特に3つ目のトヤマ楽器さんのリコーダーは必見です!)

https://www.br.de/nachrichten/bayern/bamberger-symphoniker-wissenschaftler-messen-aerosolausstoss,Ry6T6OU
【追加記事あり】緊急提言「楽器演奏のエアロゾル飛散検証実験、実は管楽器演奏はコロナ感染の危険は少ない?」|土居豊|note
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トヤマ楽器製造株式会社
トヤマ楽器製造株式会社のホームページです

個人的には、気にすべきは演奏時よりもメンテナンス時です。

ウィルス拡散の可能性を生む行動としては、

唾液の付着した管体や吹き口に触れたり、それを振ってしまうことで拡散する

ということは、考えられます。

それは、いわゆる唾抜き片付けをする際に生じるものでしょう。

ですから、もしこれらの楽器を用いるのであれば、

児童生徒に楽器の取り扱いについての注意点を確認しておき、

徹底させる必要があります。

  • 唾(水蒸気)がたまっても、楽器管体や吹き口を振らない
  • 必ずハンカチをあてて、布に唾(水蒸気)を吸わせる
  • (可能ならば)スワブを使用させる
  • 楽器の片付けの際には、落ち着いてゆっくりと管を外す
  • 楽器を忘れても児童生徒間の貸借は絶対に禁止

ただ、この状況において、

わざわざリスクの高いものを使用するべく、

頭をひねることは、あまり意味のある営みとは思いませんので、

リスクは避けるのが第一ではあると思います。

飛沫や唾液からの感染リスクを考えると、

リスクの低い楽器は、

打楽器、鍵盤打楽器、電子オルガン、

ギター、筝、和太鼓、三味線などが考えられます。

使用前後の除菌が必須となるとは思いますが。

ただ、こういう楽器は、

一人一台専有できるほど備品数として充実していない

ことが多いのが現状です。

だとすると、必然的に、

使用するならば除菌を行いながらの共用となるわけです。

そこをなんとかクリアしようと考えるならば、、

② 一人一台の楽器を使用する

同じ授業時間において、

誰かが使用した楽器を、除菌をして、次の人が使用する、

というのは、あまり現実的ではないと思います。

その時間中は、一人一台同じ楽器をずっと使用する

ことは、この状況下で楽器を使用するにあたっての、

最低クリアしたい条件かもしれません。

この条件に合致しそうなのは、

リコーダー、鍵盤ハーモニカ、小物打楽器(タンバリンやカスタネット等)

くらいではないでしょうか。

リコーダー、鍵盤ハーモニカは、

個人持ちという学校も多いかと思います。

学校によっては、

筝、ギター

がなんとか揃う可能性もあるかもしれません。

なんとか数を揃えたい時、工夫できそうなことと言えば、

地区内の学校同士で、楽器を貸借し合う

ことです。

中学校の筝などでは、行っている地区もあると聞いていますが、

時期を決めて、各学校で時期をずらして楽器を共用する

というものです。

各学校に割り当てられる音楽科の楽器購入の予算など、

たいした額ではありませんので、

なかなか備品の楽器が充実しないのが現状です。

しかし、

こういった楽器は、

使用する時期と使用しない時期が存在するのも事実です。

だったら、

近所の学校と話し合って時期をずらし合って使用すると良いと思います。

地区の教科等研究会などがあるのであれば、

どの学校にどのような楽器がいくつあるか

について、リストアップして共有していれば、

それは、現在のような状況でなくても、

役に立つものではないでしょうか。

※大学等でも借用してもらえるところもあります。

器楽の学習活動のアイデア

上記の楽器の準備や使用に当たっての注意点について、

最大限検討を重ねた結果、

楽器を使用できるという判断をされた方にとってのみ、

以下のアイデアは役に立つものかもしれません。

避けられるリスクは回避する」ということは、

忘れないようにしましょう。

① リコーダー,鍵盤ハーモニカ

リコーダーの頭部管をくわえずに運指だけを動かす

指で穴を押さえるだけです。

運指をしながら、「ドー、レー、ミー…」と音名を言いましょう。

リコーダーに苦手感を感じている子もいると思います。

ある意味では、

音を出さずに運指だけをじっくり確認する時間は、

苦手な子にとっては、とても大切な時間になるかもしれませんね。

ちなみに、息を吹き込まなくても、運指を押さえるだけでも、

かすかに音が響くということもあるようです。

静かに耳を澄ませてみるのも、音への興味・関心を高める手立てになるかもしれません。

鍵盤ハーモニカの吹き口をくわえずに運指を練習する

指で鍵盤を押さえるだけです。

こちらもリコーダーと同様に運指のみの練習です

指の動きのみにしっかりと集中させてみましょう。

鍵盤楽器は、音程(音の幅、隔たり)についての理解が深まる楽器です。

音と音には高さの距離に幅があるんだ!

それを可視化して実感することができるものです。

至近距離では確認しにくい状況ですが、

距離を空けても運指の確認くらいはできるかと思います。

手を挙げて、空で指を動かすこともできますね。

鍵盤ハーモニカでしっかりと鍵盤に慣れておくと、

その後の打楽器合奏にも役立ちます。

一斉で、全員が同じ運指ができたら、

それを先生が音にしてあげる、

もしくは、先生が出した音の運指を空で動かして答える、

または、絶対にしゃべらずに誰か代表の子が運指をしてみて、

何の音の運指だったか当てる、

といったゲームも楽しいかもです。

音を出せないことを、「音を出したい!」という意欲に変えるつもりで、

楽しめる工夫をしてみましょう!

② ギター,筝

弦の本数を減らす

ソーシャルディスタンスを保ちながら、

協働的な学びを展開していくのは、

ギターや筝という楽器を扱うにあたっては、

なかなか難しいのではと思いますが、

使用前後の除菌をクリアできそうなら、

飛沫拡散リスクよりは、

イメージがいいのかもしれません。

ギターの弦の本数を減らして、

1本弾きで旋律をひく

ことで、フレット間の音程の幅についての理解を促せるかもしれません。

カエルの歌を輪唱(輪奏?)してみる、等もありますね。

「いや、そんな弦を減らすなんてかえって大変じゃん」

と思われる方も多いと思います。

筝だとどうでしょうか。

筝の弦を減らすこと自体が難しいので、

教師の演示(模範奏)で、音色に親しむことはできるかもしれません。

教師の方で、弦一本で色々な奏法を披露してみせる、

どんな奏法をしているのか、

壁越しに(見えないようにして)当てる、

などが考えられます。

筝という楽器の特性を考えると、

弦1本の音の響きに、

しっかりと耳を傾けてみる、

とても微細な音の変化に日本の情景美をイメージしてみる

そんな「和」の音の世界に浸ってみることの方が、

意味のある学習かもしれません。

「ん?それって器楽じゃなくて、鑑賞じゃないの?」

もちろんそうです。

技能という資質・能力はそこには見いだせないかもしれません。

しかし、器楽を鑑賞に、鑑賞を器楽につなげていく、

意味のある学習をつくることはできる可能性があるということです。

この状況下において、

ギターや筝の器楽の学習で、

深まりのある学習は難しそうだなぁ、

と私も思います。

考え方を変えると、

今は「深まり」よりも「広がり」を

つくる時期なのかもしれません。

帯学習を充実させて「深まり < 広がり」を

ここまで、いくつかのアイデアを挙げてきましたが、

「いまいち深まらなそうだよね~」

と思われたと思います。

自分もそう思います。

この状況下においては、器楽の学習の充実は、

大変難しいと考えます。

だからこそ、

短い時間で、いくつかのアクティビティを

組み合わせた帯学習を充実させることで、

子供たちも飽きずに、

音や音楽への興味・関心や憧れ

早くやってみたいな!という意欲や態度

醸成していける可能性は大いにあると考えます。

「音楽の時数が減らされてしまった」

そんな悲しい声が聞こえてきます。

こんな時期だからこそ、

焦らず、子供たちには

音や音楽の魅力を広げていくことができる時期なのかもしれません。

音や音楽はソーシャルディスタンスを保っても

響き、伝わるもの

聴き取り、感じ取ることができるものです。

そんな音楽のもつ力、魅力を授業の工夫にしていきましょう!

今回は、

主に器楽の学習活動の可能性について

書いてみました。

「音が出せない」

「音を出したい」という意欲に!

1時間の授業でどうにかしなくちゃと考えずに、

長い目で子供たちの音楽科学習を

考えていきましょう!

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