開催報告 オンラインワークショップ「今、オンラインで語り合う『うた』の授業づくり」

R4.1.29.Sat. Zoomにて

歌唱の授業づくりについてのオンラインワークショップを行いました!

ご参加いただいた皆様お休みの日にありがとうございました!


オンラインの会は久しぶりでした。会の概要です。
まず、学習指導要領の歌唱分野の小・中・高の内容を系統的に整理した表を用いて、各校種、段階におけるキーワードの違いや、求められる資質・能力の違い(積み上げや質的な高まり)について全体で確認しました。

こちらの内容系統整理表が欲しいという方は「お問合せ」ページからご連絡ください。


続けて、前回の対面の時と同じく、「翼をください」を用いて、授業でメイン教材として取り扱う場合に、どのような子供の姿をゴール像として描くかについて話し合いました。
今回は小学校の先生と中学校の先生が半々くらいでしたので、高校の先生にも加わっていただき、4グループに分かれて協議を行いました。「きっとこの部分に絞られるだろうなぁ」と予想していたことを見事に裏切られ、また新しい発見が多くあり、とても勉強になりました。(-ω-)/


最後に歌唱の授業づくりについて情報交換を行いました。
学習評価についてこちらから話題を振らせていただきましたが、今日は「思考力,判断力,表現力等」、「技能」について、皆さんで語り合う(チャット含めて)ことができ、有意義な時間となりました。
「実技テストで”正しい音程が取れている”は必要か?」
を問いとして、「必要だ」「必要でない」それぞれの先生方のお考えを交流することができました。


もちろん小学校の学習指導要領には低学年の表現:歌唱の「技能」として、階名による模唱や暗唱をする技能の解説として「正しい音程感覚を身に付ける」ことが記されています。


相対的な音程感覚を身に付けることは、小学校から、中学校、高等学校と学習が積み上げられたり、質的に高まったりする中で、様々な音楽活動の基盤となるものであり、とても大事です。


ただ、その評価を単に値踏みしただけのものとして子供に返していくとなると、あまり意味がないものになってしまうかもしれません。


(総括的に)評価するもの」と、「(指導に返すために)把握しておくもの」を整理できているか?は(自戒を込めて)肝要です。


さらには、題材の学習計画(指導計画)の中で、「思考・判断・表現」や「技能」について記録に残す評価をどこに位置付けるかは、子供の実態に応じて、しっかりと練る必要がありそうです。


子供の資質・能力が伸びるように、また楽しい音楽活動の充実につながるようなフィードバックの在り方を、模索し続けたいところです。


コロナ関係のめまぐるしい状況は依然として落ち着きませんし、「またか…orz」という状況もあると思いますが、もう緊急時の対応ではなく、継続的な対応を視野に入れて、歌唱の授業を模索していきたいところです。

お集りの先生方のお話、お言葉を聞いていると、下を向くのではなく、確実に前を向いて、何とか今できるサイコーの楽しい歌唱の授業をつくりたい!という意志が伝わってきて、とても温かいエネルギーをいただきました!お忙しい中ご参加ありがとうございました!


アンケートから


【参考になったことや学んだことは?】
〇 歌唱の授業の中でどのような姿になってほしいか、具体的な姿を考えることです。今までは、何を学ばせるか時間が足りるかばかり考えていましたが、具体的な姿を考えることで、そこまでの姿に到達するまでに、何が必要か考えやすいと思いました。時間が限られるなか、焦点化して、評価をしていきたいと思います。
〇 一つの教材であっても何を学ぶのか、どこから切り込んでいくのか、いろいろなアプローチがあることを実感しました。
〇 中学校・高校の指導要領についても知ることができ、系統性を意識した授業づくりのヒントを得られたと思っています。小学校にしかない文言がかなりあったので、自分なりに整理して何を指導する必要があるのか考えていきたいと思います。
〇 指導内容系統表をもとに、小中高の指導の流れや注意する点を説明していただき、大変参考になりました。島田先生の説明に合った、小中高すべてに当てはまるそれぞれ(思考・判断・表現、知識、技能)の本質の大切さがよく理解できました。
〇 系統表がとても分かりやすく、それぞれの学年で身につけるべき、教師が指導すべき事項がすっきりと頭に入りました。今後の授業での発問に活かしていきたいと思います。
〇 子どもの発達をふまえた学習をデザインすること。学習指導要領の低・中・高学年〜中学〜高校の内容もグラデーションのように捉える方がいいと思いました。
〇 授業をデザインする際に、授業の中で何を、どう見取るかを整理しておくこと、具体的な子供の姿を想像しておくことの大切さ(音楽科の授業以外でも同じですね)
〇 忙しい日々の中でも少し立ち止まって当たり前になってしまっていることに疑問をもつことで授業展開のアイデアが広がることがある。


【ワークショップの感想など】
〇 翼をください、は、がっつりと取り組む時間がなくて(その前にある「夢の世界を」の三部合唱の方をじっくりやってしまうので…)斉唱+女性パートのオブリガード+サビへの強弱というところを扱って終わってしまいます。「2学期の合唱コンクールに向けて、ここでじっくり取り組むと学びの多い教材」というお話を聞いて、来年度はしっかり仕上げてみようか?と思いました。また、二分音符の表現、最後の延ばしのデクレッシェンドの表現など、いつも自分がおろそかにしているところが、やはり重要だとみなさんの話を聞いて再確認しました。音程とテストと評価の話はとても興味深かったです。ありがとうございました。
〇 本日も大変勉強になりました。ありがとうございました。コロナ禍でも「歌唱」の指導あの手、この手でがんばりたいです。
〇 コロナ禍で鑑賞や創作に偏っていきがちな音楽授業やオンラインセミナーですが、体を使った一番シンプルな表現である歌唱をテーマにしたものが少ないので、歌唱テーマが嬉しかったです。今回の「指導内容系統整理表」はとても分かりやすく、新しく発見したり腑に落ちることがたくさんありました。また、中原先生のお話やチャットの中でも、モヤッとしていたことに触れていただけてとてもありがたかったです。音楽は校種が違っても勉強になるお話が多いので、今回のように他校種またがってのお話もありがたかったです。中学校音楽科対象のオンラインセミナーがとても数ないので、(無償というところが申し訳ないのですが)ぜひぜひ続けてください!!
〇 ワークショップを開催していただき、ありがとうございました。全国の先生方と交流でき、普段悩んでいた授業のことを相談できたのは本当にありがたかったです。コロナ禍で、歌唱に関して苦手意識をもっている生徒へのかかわり方についても、すごく考えが広がりました。次回のイベントも楽しみにしております。
〇 いつも学びの多い企画を提供してくださり、本当にありがとうございます。全国の実践豊富な先生方とこうやって関わらせていただけることが、大きな財産となっています。まだまだ勉強不足で足りないことだらけなので、今後も学び続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。
〇 運営お世話になりました。それにしても、みんなで集まって教材研究するのって楽しいですよね。題材構成までいかなくても、子どもの姿を思い浮かべながら、ワーワー話しするのは、幸せな時間だと思います。
〇 中原先生や各地の先生方とざっくばらんにお話でき、授業づくりのアイデアもお互い出し合えたことが良かったです。学校に一人もしくは二人いるぐらいの教科なので、やはり仲間は必要だと思いました。本当にありがとうございました。
〇 今回で2回目の参加でした。今日もとても参考になるお話を聞くことができ満足していると同時に勉強しなくては!と刺激をいただきました。ブレイクアウトセッションで同種の先生方の話を聞けたこと、とてもよかったです。素朴な疑問にもアドバイスいただける温かい会だなと感じました。同校には、音楽専門でない学級担任の先生が音楽の授業に悩んでらっしゃる先生がいます。もし可能であれば、そういった方にも声を掛けさせていただきたいなと思います。ありがとうございました。



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