開催レポート 音楽科授業工房ワークショップ「こんなおもしろくない授業は嫌だ ススメ授業カイゼン」

1 お知らせ

9月30日(土)福岡県春日市クローバープラザ音楽室にて、対面でのワークショップを開催いたしました。秋の学校行事などもお忙しい中、約20名の参加者の方にお越しいただきました。ありがとうございました。

今回は、教科書教材曲を使ったフツーの授業を、参加者の皆さんでよりおもしろい授業につくりかえていく対話型のワークショップです。中学校の教科書に掲載されている教材曲を扱いました。

事前に、参加者の方に「おもしろくない授業になりがちな教材」についてアンケートを取ったところ、以下のような結果になりました。(曲に罪は全くありません。先生方が自分がそんな授業になってしまいがちだという印象をもっているというだけです。)

ということで、今回のワークショップのラスボスは「荒城の月」に決定しました。他にも沢山の曲が挙がりましたので、以下の3つの括りで語り合うことになりました。グループでの交流の際は、それぞれからどれか一つを選んで語り合っていただきました。

どのターンも、スタッフのほうから事例紹介を行い、その後グループで交流、全体でシェアという流れで3ターン行いました。

また、各教材曲を用いた授業づくりについて交流する中で、それらに共通する、または特徴的な「オモシロポイント」を、参加者で明らかにしていこう!ということを目標にして始めていきました。

音楽科授業工房のワークショップは、職務研修で受講するような研修とは違って、様々な経験や立場の方が集います。だから、あまり難しいことは取り扱わない(テーマによる笑)ことも多いのですが、今回は1点だけ、「思考・判断のよりどころとなる主な音楽を形づくっている要素」については、確認を行いました。

同じ教材曲を扱っても、音楽のどの要素の働きに着目するのかによって、ねらいも音楽活動も変わってきます。各グループの交流では、はじめにその点を確認した上で授業づくりについて話し合っていただくようにしました。

交流の中では、先生方それぞれのこれまでの実践についての情報交換や、教材曲の楽曲分析について花が咲いていました。また、曲の背景についての情報や、関連する曲についての紹介などから、1時間の授業だけではなく、題材全体をどのようにデザインしていくかということについて話している場面が多かったように思います。

先生方の交流の中で出されたオモシロポイントを少しだけ公開します!

子どもたちの資質・能力を育成するという観点からも、そもそもその学習は子どもが主体となっているものなのか?という見つめ直しが必要だと感じたところでした。そのためには、どのような問いが、学習課題が必要で、それは子どもにとっての心に火が付くようなものなのか?様々な面から考えて、子どもの実態に合っていると言えるものなのか?といったことをあらためて考えさせられた時間でした。

せっかくの機会だったので、最後に皆さんで合唱をしました!(最初にも歌いましたが)

やっぱり合唱って良いですねぇ(●´ω`●)

結びとして、参加いただいた先生方のアンケートから、いくつか抜粋させていただきます。お忙しい中、御参加いただいた先生方、本当にありがとうございました。

※写真については掲載の許可をいただいております。

<アンケートから>
・今まで自分自身面白さを感じていなかったり苦手意識があったりした教材も、参加者の方とお話しをしたり、その話をもとに考えてみると意外にも自分の中からもアイデアが浮かび、早く授業をやってみたいと思うことができました!特に、荒城の月!!!久しぶりにワークショップに参加することができましたが、また積極的に参加して、授業したいという気持ちを高めるきっかけにできたらなと思います!楽しい時間になりすぎて、参加して本当によかったです。ちなみに、ワークショップの後、合唱連盟のコンサートに行き、波多野睦美さんの演奏を聴きました。浜辺の歌を歌っていたのですが、今までと違って聴けたのが面白かったです!ありがとうございました!”

・まずは純粋に、音楽って楽しいなと思いました。歌うって素敵だなと感じました。その上で、授業づくりのポイントとして、出合わせ方の工夫、発問の工夫、題材構成の工夫、他教科や他学年との連携の重要性がポイントなのだなと感じました。具体的な提案もありがとうございました。日頃、小学校では、音楽科の研修に出会うことは本当に少ないです。正直、数年に一回出会うかどうかです。昨日は、音楽科専門の中学校の先生方に混じって研修を受けたことで、スタートラインの向こう側をやっと覗けた気がします。指導主事の先生方が連携して、私的な面でも素晴らしい研修の機会を作ってくださり、とても勉強になりました。このような場に参加して、自分の意識が上がったことが一番の財産だと思います。この意識を学校や子供たちに還元していきたいです。

・先生方の事例や解説をお伺いできて、知識をもっと身につけたい、と強く感じました(音楽を感覚でしか捉えられていないと猛省しました…)。効果的な学習課題をもっと考えていこうと思いましたし、一つの音楽でもアプローチによって授業が如何様にも変わるのだと改めて感じました。また、さまざまな校種やご職業の方がいらっしゃって、視野が広がりました。小学校や中学校の音楽の授業を前提として、高校ではどんな音楽の授業が展開されるべきか、考えていこうと思います。

・子どものわくわくを引き出す方法を皆さんと考えることができて良かったです。


・伝統音楽、歌唱、鑑賞教材に分けて具体的に研修できたことが良かったです。いろんな先生方の意見を聞くことができて、すぐに授業で実践してみようと思いました。


・「面白くない教材」という視点が学びになりました。言い換えれば「面白さや良さに気づけてない教材」ということかな?グループワークでの対話を通して「見方や考え方」が変わって新しい視点に気がつくことができました。長く音楽の授業をやっていると面白くない教材の「観」が育ってくるのだと実感しました。私自身、音楽の授業を実際にやってないにも関わらず、音楽の授業(小学校の音楽科も)を語らなくてはならないことが多い今、昨日のセミナー参加者の声を聞くことはとても勉強と刺激になりました。若手の先生方が一生懸命に教材に向き合う姿がとても嬉しかったです。

・ワークショップに参加させていただき、ありがとうございます。実践を紹介していただいたり先生方と交流したりする中で、自分の授業を客観的に振り返り、新たな視点で教材を見つめることができた点が、大変よかったです。教職経験を重ねるにつれ、よい意味でもよくない意味でも、自分なりの価値観や固定観念(?)をもとに授業を進めるようなことが多くなってきました。今回のワークショップを通して、常に自分をアップデートし、より良い授業を行っていきたいと思いました。

・荒城の月や夏の思い出といった共通教材の良さをあらためて知ることができました。「長く歌われているから良い曲」なのではなく、「良い曲だから長く歌われている」といったことを再認識しました。また、このような教材をどう取り扱っていくのかという点も、先生方の考え方や授業の進め方が大変勉強になりました。どうもありがとうございました。

・この度は参加させていただき、ありがとうございました。今回のワークショップを通して、先生方の様々な授業の進め方を教えていただきました。とても勉強になりました。

・雅楽の楽器編成とオーケストラとの比較!早速、取り入れたいと思います。

・紹介していただいたオモシロポイントを生かした事例がとても興味深かったです‼️

・中学校の先生方の高い専門性とオモシロポイントをミックスすれば子どもたちは音楽大好きになること間違いなしだと思いました。

・様々な多様な体験を仲間と共に積み重ねることで豊かになるという志民一成先生からのメッセージ、同感です!そのために私にできることを考えたいと思います。


・その教材曲に教師がいかに魅力を感じるか‼️だと改めて思うことができました。いろんな先生方とお話しする機会を作っていただき楽しかったです。ありがとうございました!

Subscribe
Notify of
guest
0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments
タイトルとURLをコピーしました